新宿ACBを中心に活動する3ピース・ギター・ロックバンド PARKLIFEが、2020年8月23日に配信シングル『ライフ イズ ビューティフル』をリリースした。
「ライフ イズ ビューティフル」は”日常”をコンセプトとした楽曲で、ライブでいち早く披露されてきた。また、リリースに際して特別企画としてSNS上で短編漫画「ライフ イズ ビューティフル」を公開し、人それぞれの日常を歌った楽曲の世界観を違ったアプローチで伝えた。
今回はそんなPARKLIFEにインタビューを決行。大学の軽音部で出会った彼らがPARKLIFEを結成するまでの経緯や新曲「ライフ イズ ビューティフル」、そしてメンバー皆が美大卒という彼らが作品のジャケット画像やグッズのデザインに懸ける想いを訊いた。
取材・文:エビナコウヘイ
遠藤弘耕(Dr,以下、ヒロ): 大学の軽音部で僕と太秀が同期だったんです。お互い土日休みだったので就職してからも仲が良くて、またバンドやろうよってラフに始めたのがPARKLIFEですね。最初は他の人がベースだったんですけど脱退してしまって。元々大学の後輩だったいのりが、「ベースでもいいから入れてくれ」って言ってくれたのが始まりです。
いのりゆうき(B&Cho、以下、いのり): 初ライブからずっとPARKLIFEを観に行っていたんですよ。前のベーシストが抜けるって聞いた時に、「他の候補がいないんだったらベースでもいいので入れてください」って冗談っぽく太秀さんにメッセージを送ったんですよ。当時は他に新しいベーシストの候補もいたんですけど、僕は卒業制作で大学に泊まり込んでベースの練習も始めていました。
ヒロ: 僕らは社会人になってもよく一緒に遊んでいて、その中で久しぶりにバンドやるかっていう話になりました。再び集まってからは、最初からオリジナル曲を作って満足だったんですけど、ライブし始めてからは仕事よりバンドの方に比重が移っていったんです。それである時に移動の機材車で話し合って、もう会社辞めようぜ、バンドでやっていこう!という話になって。
いのり: 完全に勢いでした(笑)。そこから1週間くらいで皆辞めたよね。
ヒロ: 土日だけライブ活動をしていると、本気でやっているバンドのイベントに当ててもらえなかったりしたんです。最初は無理やり皆の有給を合わせて平日のイベントに出たりしていたんですけど、ライブハウスの人にも「やるなら本気でやれ」って言われて。
野澤太秀(Vo&G、以下、太秀): 新宿のライブハウスACBが一番最初に面倒を見てくれたんです。当時から名物PAで、今は店長をやられている林さんという方に「お前らちゃんとやれよ」ってすごく怒られて(笑)。
ヒロ: ACBはずっと気にかけてくれて。当時も僕らは本気でやってるつもりだったんですけど、今考えると全然本気じゃなかったですね。なんとなく自信はあったんですけど、実際世に出てみたらそんなに甘くなかったです。
太秀: バンド名は完全に僕のエゴで決まりました(笑)。僕はザ・クリブス、ザ・リバティーンズ辺りのUKロックが好きなんですけど、高校生の時、最初に聴いたのがブラーだったのかな。その中でも『PARKLIFE』がすごい好きだったんです。MVとか曲の楽しさがバンドの魅力だと思っていたので、そういう楽しいことをしたい、という意味で付けました。ギターを始めたのは父親の影響が大きくて、父親がドヤ顔でベンチャーズの「パイプライン」を弾いているのを見て、俺にも弾けるはずだ!って始めたのがきっかけですね。
ヒロ: 軽音部に入りたかったからドラムを始めたんですけど、当時はSHAKALABBITSが好きでメロコアをよく聴いていましたね。dustboxとかHAWAIIAN6も好きだし、J-POP、洋楽のメタルコアとかも聴いていました。
いのり: 僕は高校の時に友達に誘われてドラムを始めたのがきっかけです。友達の間でBUMP OF CHICKENが流行っていて、俺たちもそういう音楽やろうぜって始めました。大学に入ってからは先輩たちがメロコアを聴いていたので、僕も影響されました。
ヒロ: PARKLIFEを始めた当初は、今よりもっとパンク色が強かったんです。PARKLIFEの前身バンドではバリバリのUKロックみたいな音楽をやっていたんですけど、もっと日本語で伝えるものをやろうという話になって。その中でメロコアもやって、ACBに拾ってもらいました。最初は詳しい音楽知識とか理論も知らないまま、パワーコードだけでライブハウスに出て行ったんです。でも、色々吸収してレベルが上がるうちにやれることも増えてきて。今のスタイルになったのは、当時の周りのバンドの影響とかもあるのかなと思いますね。
ヒロ: 太秀は要らないと思ったところをバンバン削っていくんですよ。
いのり: 複雑なことをしようとすると、ちょっと自分たちの中で引っかかる部分が出てきちゃうんですよね。それを削ぎ落としていって、こういう曲になってます。
太秀: ノイズが入るから「エフェクターを使うな」って新宿ACBの林さんに言われたのが大きいです。そこから最低限にシンプルにしていく方向に定まっていきましたね。
ヒロ: 2018年の秋冬ぐらいに作った曲です。そこからライブの定番曲になってますね。
太秀: 僕が作詞作曲したんですけど、当時観ていた映画『アバウト・タイム』に影響を受けていると思います。僕は深夜に曲を作ることが多いので、この曲も夜に1人で聴いて欲しいですね。夜が明けたら明日が来るから頑張れっていう想いを込めています。これまでライブで披露してきた中で、曲自体の形や想いが変わってきているんです。ライブだと皆に「大丈夫だよ、安心してくれ」っていう想いを届けたい。僕はライブの時に間奏で言葉を詰めちゃう癖があるので、ライブと音源では、知らないうちに形が変わっていっている気もします。
太秀: もぐみは元々大学で軽音サークルも一緒の仲間だったんですよ。最初はジャケット画像をもぐみに描いてもらおうっていう話だったんですけど、ジャケット画像のマンションに描かれた住人のストーリーが見えたら面白いんじゃないか? という案があって。じゃあ漫画も描いてもらおうっていう話になりました。
太秀: 深夜にビデオ通話をして話し合っていました。僕は文字校正とか言葉の使い方をはじめ、色々な意見を伝えていて。漫画は各回の主役は違っていても全部ストーリーがつながっているんです。前回の主役を次はどこのタイミングで出すか、「夏だから心霊要素も入れてみようよ」とかたくさん話し合いました。ちなみに、ジャケット画像では3部屋空いているんですけど、その3部屋は実は僕らメンバーの部屋です。僕らのストーリーはMVになっている、という設定もあるんです。
太秀: 僕ら美大卒なんですけど、僕とヒロはデザインもやっていて。葉っぱTシャツについては、PARKLIFEのイメージを葉っぱにしたかったんですよ。ロゴにも葉っぱがついていますし。
いのり: 僕もアイディアを出したり、グッズの名前を決めたりしています。でもPARKLIFEのイメージは葉っぱだから、太秀さんが挙げたデザインの中でも葉っぱのデザインが有力候補に上がることが多いよね。
太秀: 実はこれまでのシングルのジャケットもメンバーそれぞれが手掛けていて。1stシングルの『EYES / Dear』は僕がジャケット写真を監修して、2ndシングルの『ナイトウォーカー / 手を伸ばせば』はヒロが、3rdシングル『Eden / はるかぜとともに』はいのりがディレクションしているんですよ。
ヒロ: 自分の表現を分かりやすく出せるものですね。ライブがあるとグッズを買っちゃうじゃないですか。やっぱり、このバンドのグッズだから欲しい、身に付けたいっていうものもある。これを好きっていうのが表現できるし、バンド名も入っていたら尚更欲しいっていうのもあるし。
太秀: あとはコロナの時期、グッズがお客さんがミュージシャンたちを支えられる手段になっていると思う。こういう時期だからこそ支える上でのツールとしての意味合いも大きくなっていますよね。
いのり: ライブハウスだと、お客さんとのコミュニケーションツールにもなると思うんです。グッズを買う時に、直接感想を言ってもらえたりするきっかけにもなるんですよ。応援してもらっているのを感じられるし、グッズには繋がりの場所としての意味もあるような気がします。
*画像をクリックするとグッズページへ移動します。2015年4月結成。新宿ACBを中心に活動する、3ピース・ギター・ロックバンド「PARKLIFE」。 「でらろっくフェス2018、2019」「TOKYOCALLING2019」等のサーキットイベントの出演を重ね
これまでにDEMO CD2枚、2007年には全国流通CD「証鳴」を発売、そして全国ツアーを経験。
2019年よりサウンドプロデューサーに99RadioServiceの堀内孝平を迎え入れ、これまで以上に「歌」にこだわり
2019年8月にFIRST Digital Single「EYES/Dear」
2019年11月に2nd Digital Single「ナイトウォーカー/手を伸ばせば」
2020年2月に3rd Digital Single「Eden/はるかぜとともに」
2020年8月に4th Digital Single「ライフ イズ ビューティフル」を配信RELEASE
「未来」へ進む為の日常の一幕を切り取った歌詞、どことなく懐かしく、そして3歩進んで2歩下がるような誰にでもある弱い部分を暖かく包み込みこんでくれる。
PARKLIFE オフィシャルサイト:http://parklife-web.com/
ハートをいくつ送りますか?
持っているハート: 0 0